この3点が成り立ったのならば、上手いヴォーカルから魅力的なヴォーカルにステップアップ出来たと言えるでしょう。
私がこれまでアーティストの方々とお付き合いしてきた中で、どのような聞こえ方をした時感じるものが有ったかを集約すると上記の様になります。
【1】のトーンとアクセントの同居ですが、現在プロとして活躍している方々はまずクリアできているポイントです。
【2】のノリとレガートの同居はなかなか難しいものですが、歌の気持ちよいビート感と共に詩が良くきこえてきます。これまでも成立させたらトップクラスのヴォーカリストになれたと言っても過言ではないでしょう。
【3】表現力をつける為に、切る音、伸ばす音、強弱のダイナミックレンジ(幅)をはっきりさせることは有効です。ヴァース(Aメロ)は弱く、フック(Bメロ)がメディアムでコーラス(サビ)は強く、と考える事は既に枠に囚われていると言えます。
ヴァース入りのフレーズがffで、その直ぐ後がppでも良い訳です。
別の次元から見ると『フィーリングをどうすれば出せるのか』という大テーマが有りますが、上記3点から引き出せるとも言えます。
【発揮の秘訣】
『練習ではポイントをよく考えつつ、反復すること。しかし本番(ライブ、レコーディング、オーディション)では何も考えないこと。』
本番において"考えること"はまず裏目に出ます。頭を空っぽにし、"感覚"(意識下の能力)に任せると120%発揮できるでしょう。そしてその120%が新たな実力となります。しかし、“頭を使った練習”をせず精神論だけで本番に賭ける人を見かけますが、これも上手くは行かないでしょう。